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Vladimir Nabokov『ロリータ』

ロリータ (新潮文庫)

ロリータ (新潮文庫)

ロリータ、我が命の光、我が腰の炎。我が罪、我が魂。ロ・リー・タ。舌の先が口蓋こうがいを三歩下がって、三歩めにそっと歯をたたく。ロ。リー。タ。

ハンバートはイヴとの性交を行うのになんの支障もなかったが、彼が熱望するのはリリスなのだった。乳房発達のつぼみ段階は、思春期に伴う身体的変化の初期(10.7歳)に発現する。そして次に起こる性徴は、濃い恥毛の発現(11.2歳)である。私のカップはティドルであふれそうになっている。

「あれがわたしのロー」と彼女が言った。「それからこれがわたしの百合ゆりなんですのよ」「ええ」と私は言った。「ええ。すばらしい、すばらしい、実にすばらしい!」

きわめて特異なことに、彼女、このロリータ、我がロリータが、古代から作家によく歌われた情欲の対象を個別化してしまったので、あらゆるものの上に立っているのが––ロリータなのである。

心臓も、頭も––何もかも。ロリータ、ロリータ、ロリータ、ロリータ、ロリータ、ロリータ、ロリータ、ロリータ、ロリータ。植字工よ、このページが埋まるまで繰り返してくれ。

カチャリ。やっと二人きりになれたねアンフアン・スール

一目見たときから愛していた、最後に見たときも、そしていつ見るときも、永遠に。

「おまえは本当に、本当に––まあ、もちろん明日でなくてもいいし、明後日でなくてもいいんだが––その––いつか、いつでもいいから、私と一緒に暮らしてくれないか?もしおまえがその超微細な希望を与えてくれるんだったら、私は新品の神を創造して、絶叫をあげて彼に感謝するよ」