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Stanisław Lem『ソラリス』

私はまたもや重要な瞬間を見逃してしまった。惑星が現れた瞬間だ。気づいたとき惑星はもう巨大で平たい姿を広げていた。その表面のしまの太さから、まだ自分が遠くにいると見当をつけることができた。いや、遠くではなく、高いところにいるというべきだろう。というのも、天体からの距離が高さに変わる、あの捉えがたい境界をすでに過ぎていたからだ。私は落ちていった。

人間は自分のことを聖なる接触コンタクトの騎士だと考えている。でも、これが第二の欺瞞ぎまんだね。人間は人間以外の誰も求めてはいないんだ。われわれは他の世界なんて必要としていない。

愛していない。愛している。彼女は命を捧げる覚悟だ。きみもそうだ。なんて感動的、なんて美しく、気高い話だろう。なんとでも好きなように呼んでいいさ。でもそんなことが問題になる余地は、ここにはないんだ。ないんだよ。

涙が彼の顔を流れ、背広に落ちた。
「これは誰のせいなんだ?おれたちの誰のせいで、こんなことになったんだ?ギバリャンのせいか?ギーゼのせい?アインシュタインプラトン?この連中はみんな犯罪者だ、そうだろう?